blog コラム
「テレビを見ていると、いつも口が開いている」「寝ているときに口で息をしている」「朝起きると口やのどが乾いている」。守口市で子育てをされているご家庭でも、このようなお子さんの様子が気になることはないでしょうか。子どもの口呼吸は単なる癖の場合もありますが、鼻づまり、舌の位置、唇を閉じる力、姿勢、睡眠など複数の要因が関係していることがあります。近年の研究では、口呼吸をする子どもでは上あごの歯列が狭い、上あごの奥が深い、奥歯のかみ合わせが左右でずれるといった特徴がみられやすいことが報告されています。ただし、口呼吸だけが歯並びを悪くすると断定することはできません。大切なのは、歯並びだけではなく「なぜ口が開いているのか」を確認することです。
本来、安静にしているときの呼吸は鼻から行うのが基本です。ところが、日中や睡眠中に口が開いたままになり、口から息を吸ったり吐いたりする状態が習慣化している子どももいます。一般にはこれを「口呼吸」と呼びます。
・ テレビやゲーム中に口が開く
・ 寝ているときに口が開いている
・ 朝起きると口やのどが乾く
・ 鼻が詰まりやすい
・ いびきをかく
・ 唇を閉じている時間が短い
ただし「口が開いている=必ず口呼吸」ではありません。鼻で呼吸できている子もいれば、普段は口を閉じていても睡眠中だけ口呼吸が強くなる子もいます。見た目だけで決めつけず、鼻の通りや睡眠中の様子まで確認することが大切です。
子どもの口呼吸には一つではなく、いくつもの原因が関係します。代表的なのは鼻づまりです。アレルギー性鼻炎、風邪、副鼻腔の炎症、鼻の奥の組織が大きいことなどで鼻から息をしにくくなると、子どもは自然に口を開けて呼吸しようとします。
・ 舌が低い位置にある
・ 唇を閉じる力が弱い
・ 前歯が出ていて唇を閉じにくい
・ 指しゃぶりや舌を前に出す癖がある
・ 猫背など姿勢に癖がある
・ 鼻づまりが治った後も口を開ける習慣が残っている
鼻が詰まっている子どもに「口を閉じなさい」と注意するだけでは改善しないことがあります。まず原因を見つけることがスタートです。
歯は、舌・唇・頬から受ける弱い力のバランスの中で位置を保っています。鼻で呼吸しているときは、一般的に唇が軽く閉じ、舌は上あご側に触れやすい状態になります。一方、口呼吸が続くと空気の通り道を確保するために口が開き、舌が低い位置に下がることがあります。
・ 上あごの内側を舌が支える力が減る
・ 頬から歯列に加わる力とのバランスが変わる
・ 前歯を唇で支える力が弱くなる
・ 飲み込むときに舌が前へ出やすくなる
このような変化が成長期に長く続く可能性があるため、口呼吸は「呼吸だけの問題」ではなく、歯並びやあごの成長と一緒に評価することが重要です。
2026年4月に公表された系統的レビュー・メタ解析では、18歳未満の口呼吸児と鼻呼吸児を比較した13研究がまとめられました。その結果、口呼吸児では上あごの犬歯付近と奥歯付近の横幅が狭く、下あごでも奥歯付近の幅が狭い傾向が確認されました。また、上あごの奥の部分が深く、奥歯のかみ合わせが左右で反対になる「交叉咬合」が多いことも示されています。
・ 遺伝
・ 歯とあごの大きさ
・ 指しゃぶり
・ 舌の癖
・ 乳歯の早期喪失
これは「口呼吸をすれば必ず歯並びが悪くなる」という意味ではありません。歯並びには上記のような多くの要素も関係します。2026年の解析は2025年12月までに公表された研究を対象としており、以前から指摘されてきた傾向を、より多くの研究をまとめて検討した点に意味があります。
口呼吸と関連してみられる歯並びには、いくつかの特徴があります。上あごが狭くなると永久歯が並ぶ場所が不足し、歯が重なって生えることがあります。また、上の前歯を外側から支える唇の力が弱くなったり、舌が前へ出る癖が加わったりすると、前歯が前方へ傾いて見えることがあります。
・ 奥歯をかんでも前歯が閉じない
・ 上下の奥歯の左右関係が反対になる
・ 歯列が細いV字型に見える
・ 前歯のすき間が閉じにくい
ただし、見た目だけから原因を口呼吸と判断することはできません。保護者の方が「歯列が狭い気がする」「前歯が閉じない」と感じても、成長途中では正常な変化との区別が難しいことがあります。定期的に確認することが大切です。
口呼吸と顔やあごの成長との関連も研究されています。2021年の系統的レビュー・メタ解析では、口呼吸児で上下のあごが後方・下方へ向く傾向や、顔の縦方向の成長が大きくなる傾向が報告されました。さらに2026年6月のレビューでも、上あごの狭さ、上あごの天井が高い状態、縦長の成長傾向、歯並びやかみ合わせの乱れとの関連がまとめられています。
一方で、これらの研究には口呼吸の診断方法が統一されていない、観察研究が多いなどの限界があります。そのため「口呼吸が顔つきを変える」と単純に断定するのは適切ではありません。顔つきだけを理由に治療を始めるのではなく、成長の経過を追いながら、歯並びや口の機能に実際の問題があるか確認することが大切です。
口呼吸で注意したいのは歯並びだけではありません。口から空気が出入りする時間が長いと、口の中が乾燥しやすくなります。唾液には食べかすを洗い流したり、虫歯の原因になる酸を和らげたりする働きがあるため、乾燥が続く場合は虫歯や歯ぐきの炎症にも注意が必要です。
・ 唇が乾きやすい
・ 朝に口が強く乾いている
・ 前歯の周囲の歯ぐきが赤い
・ 口臭が気になる
・ 水をよく飲みたがる
こうした変化がある場合、口呼吸だけでなく口の中の状態も確認しましょう。口の乾燥は季節や室内環境にも左右されるため、一日の一場面だけで判断せず、朝・日中・睡眠時など複数の場面で様子を見ることが大切です。
口呼吸に加えて、毎晩のようないびきがある場合は注意が必要です。鼻やのどの空気の通り道が狭くなっている可能性があるためです。
・ 大きないびきを繰り返す
・ 寝ている途中で呼吸が苦しそう
・ 何度も目を覚ます
・ 寝汗が多い
・ 朝なかなか起きられない
・ 日中に強い眠気がある
・ 落ち着きがないように見える
このような様子がある場合は、歯科だけですべてを判断するのではなく、小児科や耳鼻咽喉科などでの評価が必要になることがあります。睡眠中の呼吸は保護者の方が気づける大切な情報です。「週に何日くらいいびきをかくか」「息が止まったように見えることがあるか」などを受診時に伝えてください。鼻づまりが強い子に無理に口を閉じさせることは避けましょう。
2026年1月、日本小児歯科学会は「口腔機能発達不全症」の治療について重要なお知らせを公表しました。子どもの時期に食べる、飲み込む、話すなどの口の働きを適切に育てることが大切とされ、口をぽかんと開けて口呼吸をしていることや、いびきなども確認すべき項目に含まれています。
・ 舌の位置や動き
・ 唇を閉じる力
・ かむ動作
・ 飲み込む動作
・ 食べ方
重要なのは、口腔機能発達不全症への対応と歯列矯正は同じ治療ではないことです。見た目の歯並びだけでなく「食べる・飲み込む・話す」といった毎日の機能を育てることを重視し、そのうえで歯並びへの対応が必要かを考えます。
保護者の方がご家庭でできる最初の対策は、無理に口を閉じさせることではなく「観察すること」です。いつ口が開いているのか確認してみましょう。
・ 何もしていないときに口が開く
・ テレビやゲーム中に開く
・ 寝ているときだけ開く
・ 鼻づまりの日に強くなる
・ 食事中に口が開きやすい
・ 飲み込むときに舌が前へ出る
・ 前歯が以前より出てきた
・ 永久歯が並ぶ場所が少なく見える
睡眠中のいびきや口の開き方は、可能であれば短い動画に残しておくと診察時の参考になります。また、学校や保育園では口を閉じていても、自宅でリラックスすると開く子もいます。時間帯や場面による違いも伝えてください。鼻の通りを確認せず、睡眠中の口をテープなどで強制的に閉じることはおすすめできません。
「何歳から相談すればよいですか」と聞かれることがありますが、明確な年齢を待つ必要はありません。乳歯の時期でも、舌や唇の動き、口の開き方、食べ方、かみ合わせは確認できます。特に6歳前後からは永久歯への生え替わりが始まり、歯並びやあごの成長が大きく変化します。
・ 口呼吸が数か月以上続いている
・ いびきが頻繁にある
・ 前歯がかみ合わない
・ 奥歯の左右のかみ合わせがずれている
・ 前歯が急に出てきたように見える
・ 永久歯が生える場所が足りなさそう
早めの相談の目的は、早く治療を始めることではありません。今後どこを観察すればよいかを保護者の方と共有し、必要な時期を逃さないことにあります。
守口市の菱田歯科医院では、お子さんの口呼吸が気になる場合、歯並びだけを見るのではなく、口全体の状態と普段の様子を確認します。
・ 虫歯や歯ぐきの状態
・ 乳歯と永久歯の生え替わり
・ 永久歯が並ぶスペース
・ 上下の歯のかみ合わせ
・ 口を自然に閉じられるか
・ 舌の位置や動かし方
・ 食べ方や飲み込み方
・ 鼻づまりやいびきの有無
保護者の方から日中や睡眠中の様子も伺い、「なぜ口が開いているのか」を整理します。鼻づまりや強いいびきなど、歯科だけでは対応できない原因が疑われる場合には、耳鼻咽喉科や小児科などへの受診をおすすめします。定期検診の中で変化を追い、一時的な口呼吸なのか、継続して対応した方がよい状態なのかを考えていきます。
口の働きに問題がみられる場合、菱田歯科医院では年齢や発達の状態に合わせて、舌・唇・頬の使い方、食べ方、飲み込み方などを確認し、必要に応じてご家庭で取り組める練習や生活上の注意点をお伝えします。目的は単に筋肉を強くすることではなく、日常生活の中で自然に口を使える状態を目指すことです。
・ 口が閉じやすくなったか
・ 舌の位置が変わったか
・ 永久歯がどこから生えてきたか
・ 歯列の幅やかみ合わせがどう変わったか
お子さん自身が無理なく続けられることも重要です。年齢に合わない難しい練習を一律に行うのではなく、できることから取り組みます。歯並びの治療が必要な場合も、必要以上に急がず、成長に合わせて時期や方法を考えていきます。
子どもの口呼吸は、単なる「口を開ける癖」として片づけず、鼻の通り、舌や唇の使い方、睡眠、食べ方、歯並びを一緒に見ることが大切です。2026年の最新研究でも、口呼吸児では上あごの歯列が狭いことや、上あごの奥が深いこと、奥歯の交叉咬合が多いことが報告されています。ただし、口呼吸だけが原因と断定するのではなく、一人ひとりの状態を総合的に評価する必要があります。
・ いつも口がぽかんと開いている
・ 寝ているときに口呼吸やいびきがある
・ 前歯が出てきた
・ 歯並びが狭く見える
・ 食べ方や飲み込み方も気になる
という場合は、歯がすべて生え替わるまで待たずにご相談ください。菱田歯科医院では、虫歯予防とともに、お子さんの口の働きと成長を長期的に見守ることを大切にしています。
Q1.子どもの口がいつも開いています。口呼吸ですか?
A.口が開いているだけでは、必ずしも口呼吸とは判断できません。鼻で呼吸できているか、鼻づまりがないか、睡眠中はどうか、舌の位置や唇を閉じる力などを確認する必要があります。長期間続いている場合は、一度歯科医院でご相談ください。
Q2.口呼吸をしていると必ず歯並びが悪くなりますか?
A.必ず悪くなるわけではありません。ただし、最新の研究では口呼吸をする子どもに、上あごの歯列が狭い、奥歯のかみ合わせが反対になるなどの特徴がみられやすいことが報告されています。遺伝や舌の癖など他の要因も含めた評価が必要です。
Q3.何歳から口呼吸を相談すればいいですか?
A.年齢を待つ必要はありません。乳歯の時期でも口の開き方、舌の位置、食べ方、かみ合わせを確認できます。特に永久歯への生え替わりが始まる6歳前後は、歯並びやあごの成長が大きく変化する時期です。
Q4.口呼吸なら矯正治療が必要ですか?
A.口呼吸があるからといって、すぐ矯正治療が必要になるわけではありません。鼻の通り、舌や唇の使い方、食べ方、飲み込み方、現在の歯並びなどを確認し、その子に必要な対応を判断します。
Q5.寝ているときに口が開いていて、いびきもあります。
A.頻繁ないびきや苦しそうな呼吸がある場合、鼻やのどの空気の通り道に問題がある可能性があります。歯科だけではなく、耳鼻咽喉科や小児科などでの確認が必要になる場合があります。
Q6.家庭で「口を閉じて」と注意すれば治りますか?
A.鼻づまりなどがある場合には、注意するだけでは改善しません。まず、なぜ口が開くのか確認することが重要です。強制的に口を閉じさせるのではなく、原因に応じて対応します。
Q7.口のトレーニングはどんなことをしますか?
A.舌の位置、唇の閉じ方、食べ方、飲み込み方など、その子に必要な部分を確認します。単に筋力を強くすることが目的ではなく、普段の生活の中で口を適切に使えるようにしていくことが目的です。
Q8.守口市で子どもの口呼吸や歯並びについて相談できますか?
A.菱田歯科医院では、子どもの歯並びだけでなく、舌や唇の動き、食べ方、飲み込み方、口の開き方なども含めて確認しています。鼻づまりやいびきなどがある場合には、必要に応じて耳鼻咽喉科などへの受診もご案内します。
このコラムに関わる歯科医師
歯科医師 菱田 茂規
患者さまのお話を丁寧に伺い、お口の状態やご希望に合わせて、できるだけ分かりやすくご説明することを大切にしています。虫歯・歯周病の治療だけでなく、治療後のお口の健康を長く保つための予防についても一緒に考えてまいります。気になる症状やお口のお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
<経歴・所属>
・ 朝日大学 卒業
・ 大阪大学 第一口腔外科卒業
・ 日本口腔外科学会
・ 守口市歯科医師会
・ 学校歯科医
守口市の歯医者
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菱田(ひしだ)歯科医院
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