blog コラム
繰り返し外れる原因を知り、歯を長く守るために
「また詰め物が外れた」
「同じ歯ばかり治療している気がする」
「固い物を食べた覚えもないのに、なぜ外れるのか分からない」
このようなお悩みは、決して珍しくありません。
詰め物は、一度入れたらずっとそのまま使えるとは限りません。毎日の食事、かむ力、歯みがきの状態、お口の乾き、歯ぎしりや食いしばりなど、いろいろな条件が重なることで外れやすくなります。
そのため、詰め物が取れたときに「たまたま外れただけ」と考えてしまうと、同じことを繰り返しやすくなります。大切なのは、ただ付け直すことではなく、「なぜこの人は外れやすいのか」を考えることです。
詰め物が繰り返し外れる背景には、次のようなことが隠れている場合があります。
・詰め物のまわりに新しいむし歯ができている
・かむ力が強く、歯や詰め物に負担がかかっている
・歯ぎしりや食いしばりがある
・お口の中が乾きやすい
・治療した範囲が広く、歯に負担が集中しやすい
・歯と詰め物の境目に汚れがたまりやすい
・定期的な確認の機会が少ない
こうした原因が重なると、詰め物だけでなく、歯そのものにも負担がかかります。その結果、外れやすくなるだけでなく、欠けたり、しみたり、さらに大きな治療が必要になることもあります。
今回は、詰め物がよく外れる人の特徴と、繰り返さないための対処法を、できるだけ分かりやすく整理してお伝えします。
詰め物が外れやすい人には、いくつかの共通点があります。もちろん一つだけが原因とは限りませんが、複数の要素が重なっていることが多いです。
1. 詰め物のまわりに汚れが残りやすい人
毎日歯みがきをしていても、磨き残しが出やすい場所があります。特に注意したいのは、次のような部分です。
・奥歯の溝
・歯と歯の間
・詰め物と歯の境目
・歯ぐきの近く
このような場所に汚れが残ると、詰め物のまわりからむし歯が再発しやすくなります。詰め物は、歯そのものがしっかりしていてこそ安定します。
つまり、詰め物を支えている歯がむし歯で弱くなると、接着していても外れやすくなるのです。
「前に治した歯なのにまた悪くなった」「詰め物のまわりが黒っぽく見える」「フロスが引っかかる」。このような場合は、詰め物の下や境目に変化が起きていることがあります。
2. 食いしばりや歯ぎしりがある人
詰め物がよく外れる方の中には、歯そのものの問題だけでなく、力の問題を抱えている方が少なくありません。
例えば、次のようなことに心当たりはないでしょうか。
・朝起きるとあごがだるい
・肩や首がこりやすい
・気づくと奥歯をぐっとかんでいる
・寝ている間の歯ぎしりを指摘されたことがある
・頬の内側に歯型がついている
・歯がすり減ってきた気がする
こうした状態があると、詰め物に強い負担がかかります。強い力は、少しずつ詰め物の境目に負担をかけ、ゆるみや欠けの原因になります。
特に、夜間の歯ぎしりは自分で気づきにくいため、何度も外れる方では見落とされやすいポイントです。見た目だけでは分からないことも多く、同じ歯ばかり詰め物が外れる人は、力の問題を疑うことが大切です。
3. 治療した範囲が広い人
小さな詰め物よりも、大きな範囲を補っている詰め物のほうが外れやすい傾向があります。
その理由は単純で、治療した面が広いほど、かんだときの力を受けやすいからです。さらに、残っている歯の量が少ないほど、歯がしなったり、欠けたりしやすくなります。
例えば、次のようなケースです。
・奥歯の広い範囲を治療している
・何度も同じ歯を治し直している
・以前より詰め物が大きくなってきている
・歯の壁のような部分が少なくなっている
このような歯では、単に「詰め直す」だけでは安定しにくいことがあります。外れるたびに同じ形の治療を繰り返していると、少しずつ歯を失いやすくなることもあるため注意が必要です。
4. お口が乾きやすい人
だ液には、とても大切な役割があります。
・食べかすや細菌を流す
・お口の中の酸を弱める
・歯を守る
・汚れをつきにくくする
このため、お口が乾きやすい人は、詰め物のまわりにトラブルが起こりやすくなります。
例えば、こんなことはありませんか。
・朝起きたときに口がねばつく
・口の中が乾いて話しにくい
・水をよく飲まないとつらい
・口呼吸になりやすい
・鼻づまりがある
・薬を飲み始めてから乾きやすくなった
お口が乾くと、詰め物の境目に汚れがたまりやすくなり、むし歯の再発にもつながります。その結果、詰め物を支えている歯が弱くなり、外れやすさが増してしまいます。
5. 硬い物やくっつく物をよく食べる人
毎日の食事内容や食べ方も、詰め物に影響します。
特に負担になりやすいものとして、次のようなものがあります。
・氷
・硬いせんべい
・ナッツ類を強くかむ習慣
・キャラメルなど歯にくっつく物
・ガムを長時間かむ習慣
また、食べ物以外にも注意したい癖があります。
・袋を歯で開ける
・爪やペン先をかむ
・片側ばかりでかむ
・無意識に歯を接触させている
こうした習慣は、一回で必ず詰め物が外れる原因になるわけではありません。ただし、もともと負担がかかっている歯では、最後のきっかけになりやすいのです。
6. 定期検診の間隔が空きやすい人
詰め物は、完全に外れる前から少しずつ弱っていることがあります。
例えば、次のような小さな変化です。
・しみやすくなった
・食べ物がはさまりやすくなった
・かむと違和感がある
・境目がざらつく
・見た目の色が変わった
・糸ようじがひっかかる
こうした変化は、早めに気づけば大きなトラブルになる前に対処できることがあります。けれども、定期的に確認する機会がないと、気づいたときにはすでに外れていた、ということも少なくありません。
「外れたら行く」だけではなく、外れる前に確認することが、結果として歯を守ることにつながります。
自分で戻さない
外れた詰め物を自分で元の位置に戻しても、正しくはまるとは限りません。ずれたまま戻すと、かみ合わせがおかしくなったり、歯ぐきを傷つけたりすることがあります。
市販の接着剤を使わない
瞬間接着剤や家庭用の接着剤を使うのは避けましょう。口の中で使う前提のものではないため、歯や歯ぐきを傷めるおそれがあります。さらに、その後の歯科治療が難しくなることもあります。
そのまま長く放置しない
痛みがなければ大丈夫と思ってしまう方もいます。しかし、詰め物が外れた部分は無防備な状態です。
・しみやすくなる
・食べ物が入り込む
・欠けやすくなる
・むし歯が進みやすくなる
・歯の中の神経に近い部分まで悪化することがある
このため、痛みの有無だけで判断せず、できるだけ早めに相談することが大切です。
受診までの間は、患部をなるべく刺激しないことが大切です。
応急的に気をつけたいこと
・ぬるま湯でやさしくゆすぐ
・外れた側では強くかまない
・硬い物を避ける
・熱すぎる物、冷たすぎる物を避ける
・くっつきやすい食べ物を避ける
・外れた詰め物は捨てずに保管する
外れた詰め物は、清潔な袋や容器に入れて持参するとよいでしょう。そのまま再使用できるとは限りませんが、状態を確認する参考になることがあります。
早めの受診が必要な状態
・強い痛みがある
・何もしなくてもズキズキする
・冷たい物や熱い物で強くしみる
・歯が大きく欠けた
・歯ぐきが腫れている
・顔まで腫れてきた
・眠れないほどつらい
こうした場合は、詰め物が外れただけではなく、歯の内部まで影響が出ていることもあります。
詰め物が外れたとき、多くの方は「もう一度つければいい」と考えます。もちろん、それで済むこともあります。
ただし、本当に大切なのは「なぜ外れたのか」を確認することです。
例えば、原因は一つではありません。
・詰め物そのものが古くなっていた
・詰め物の下でむし歯ができていた
・歯が欠けて支えが弱くなっていた
・かみ合わせが強く当たっていた
・歯ぎしりや食いしばりの負担が大きかった
・治療の範囲が広く、もともと外れやすい状態だった
そのまま付け直せることもあるケース
・詰め物や歯の傷みが少ない
・外れた原因がはっきりしていて対処しやすい
・むし歯の再発がない
・歯の形がしっかり残っている
・詰め物の下にむし歯がある
・歯が欠けている
・詰め物が変形している
・何度も同じところが外れている
・範囲が広く、今の形では安定しにくい
詰め物が何度も外れる場合は、前回と同じやり方を繰り返すだけでは解決しないことがあります。だからこそ、原因を見ながら治療の方法を考えることが大切です。
1. 磨く回数ではなく、磨けている場所を見直す
「毎日磨いているのに外れる」という方は少なくありません。ですが、回数が多いことと、必要な場所をきちんと磨けていることは同じではありません。
・詰め物の境目
・歯と歯の間
・奥歯のかみにくい部分
・歯ぐきのきわ
歯ブラシだけでは届きにくいところもあるため、必要に応じて糸ようじや歯間の道具を使うことが大切です。
「毎日しているか」ではなく、「汚れが残りやすいところを落とせているか」を意識することが、再発防止につながります。
2. 食いしばりや歯ぎしりへの対策をする
詰め物が長持ちするかどうかは、材料だけでなく、かむ力にも左右されます。もし、次のような傾向があるなら注意が必要です。
・朝にあごが疲れている
・無意識に歯をかみしめている
・仕事中や運転中に奥歯が当たっている
・歯の先が平らにすり減っている
・詰め物や被せ物が何度も壊れる
このような場合は、力を弱める対策が必要になることがあります。
・日中の食いしばりに気づく
・必要に応じて就寝時のマウスピースを使う
・かみ合わせの確認を受ける
・負担が集中している歯を見直す
詰め物だけを直しても、力の問題が残ったままだと再発しやすいため、この視点はとても重要です。
3. お口の乾きに気づき、対策する
お口の乾燥は、見落とされやすい原因です。しかし、詰め物のまわりのむし歯を繰り返す人では、乾燥が関係していることがあります。
・こまめに水分をとる
・口呼吸になりやすい原因を見直す
・寝る前や起床時の乾燥に注意する
・必要に応じてお口の保湿を行う
・乾きやすくなる生活習慣を確認する
口が乾いていると、汚れが流れにくくなり、詰め物の境目に細菌が残りやすくなります。そのため、乾燥への対策は、詰め物の再発予防にもつながります。
4. 歯の状態に合った治療方法を選ぶ
小さな詰め物で十分な歯もあれば、そうでない歯もあります。
・何度も詰め直している歯
・治療範囲が広い歯
・残っている歯の量が少ない歯
・欠けやすい歯
・かむ力が強くかかる奥歯
このような場合、毎回同じように詰めるだけでは、また外れてしまうことがあります。大切なのは、前回と同じ方法にこだわることではなく、その歯にとってより安定しやすい方法を選ぶことです。
5. 痛みがなくても定期的に確認する
詰め物の不具合は、突然起こるように見えて、実は前ぶれがあることも少なくありません。
・少ししみる
・何となく違和感がある
・物がつまりやすい
・フロスが切れやすい
・かみ合わせが気になる
・表面がざらつく
こうした小さな変化の段階で確認できれば、大きな治療を避けられることがあります。
「何もなければ行かない」ではなく、「大きな問題になる前に確認する」ことが、歯を長く守るためには大切です。
詰め物が外れやすいと、「自分の歯は弱いのでは」と不安になる方もおられます。ですが、外れやすさは一つの原因だけで決まるわけではありません。
・むし歯になりやすい
・磨き残しが出やすい
・かむ力が強い
・歯ぎしりがある
・口が乾きやすい
・治療した範囲が広い
・通院の間隔が空きやすい
つまり、原因が分かれば対策もしやすくなります。
反対に、原因を見ないまま何度も同じ治療を繰り返すと、歯は少しずつ弱くなりやすくなります。最初は小さな詰め物で済んでいたものが、やがて大きな治療になってしまうこともあります。
だからこそ、「また外れた」で終わらせず、「なぜ外れたのか」を確認することがとても大切です。
詰め物がよく外れる人には、いくつかの特徴があります。
・詰め物のまわりに汚れが残りやすい
・むし歯が再発しやすい
・食いしばりや歯ぎしりがある
・お口が乾きやすい
・治療した範囲が広い
・硬い物やくっつく物をよく食べる
・定期検診の間隔が空いている
こうした条件が重なると、詰め物は外れやすくなります。
そして、本当に大切なのは、外れた詰め物をただ戻すことではありません。なぜ外れたのかを見極め、原因に合った対策をしていくことです。
・磨き方を見直す
・歯と歯の間のケアを取り入れる
・食いしばり対策をする
・お口の乾燥に気をつける
・歯の状態に合った治療を選ぶ
・定期的に確認する
この積み重ねによって、詰め物は外れにくくなり、歯そのものを長く守りやすくなります。
「何度も詰め物が外れるのは仕方ない」とあきらめる必要はありません。原因を知り、合った対策を行うことで、これから先の状態は十分に変えていくことができます。
Q1. 詰め物が外れたけれど、痛くなければ急がなくても大丈夫ですか。
痛みがなくても放置はおすすめできません。外れた部分には汚れが入りやすく、しみたり、欠けたり、むし歯が進んだりすることがあります。違和感が少なくても、できるだけ早めに歯科医院へ相談することが大切です。
Q2. 外れた詰め物は捨ててもいいですか。
捨てずに保管して持参するのがおすすめです。そのまま使えるとは限りませんが、どのように外れたのかを確認する参考になることがあります。
Q3. 何度も外れるのは、治療が悪いからですか。
それだけで決まるわけではありません。むし歯の再発、かむ力の強さ、歯ぎしり、乾燥、治療範囲の広さ、生活習慣など、いくつもの原因が重なっていることがあります。大切なのは、原因を整理して見直すことです。
Q4. 市販の接着剤でつけてもいいですか。
おすすめできません。家庭用の接着剤は口の中で使う前提ではなく、歯や歯ぐきを傷めたり、その後の治療の妨げになったりすることがあります。自分で付けずに受診するようにしましょう。
Q5. 詰め物を外れにくくするために一番大切なことは何ですか。
一つだけ挙げるなら、原因に合った予防をすることです。磨き方の見直し、食いしばり対策、お口の乾燥対策、定期的な確認などを組み合わせることで、再発しにくい状態に近づけます。
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