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2025年12月15日
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子どもの虫歯はなぜ進行が早い?

子どもの虫歯はなぜ進行が早い?乳歯の特徴と危険性

はじめに

「ついこの前まで白くてきれいだったのに、あっという間に黒くなって穴があいてしまった」

お子さんの歯について、このような経験はありませんか。

大人の虫歯はゆっくり進むイメージがありますが、子どもの乳歯の虫歯は、いったん始まると短い期間で一気に進んでしまうことが少なくありません。

大阪府守口市の菱田歯科医院には、守口駅・守口市駅周辺にお住まいの保護者の方から、

「どうしてこんなに早く虫歯が大きくなってしまうのですか?」

というご相談が多く寄せられます。

このコラムでは、守口市の歯医者である菱田歯科医院が、

子どもの虫歯が早く進行する理由と、乳歯ならではの特徴・注意点について、できるだけ専門用語を使わずにわかりやすく解説します。

あわせて、ご家庭でできる予防のポイントや、歯科医院の上手な通い方もご紹介します。

乳歯は「小さくてやわらかい」特別な歯

まず知っておきたいのは、子どもの乳歯は、見た目は大人の歯とよく似ていますが、つくりや役割が少し違う「特別な歯」だということです。

乳歯には、次のような特徴があります。

・大人の歯よりひと回り小さい

・表面のかたい層がうすい

・内側のやわらかい層が多い

・歯の中の神経が大きく、表面から近い

大人の歯は、表面のかたい層が分厚く、虫歯がそこをゆっくり溶かしながら進んでいきます。

それに対して乳歯は、このかたい層がもともと薄いため、表面に小さな穴があくだけで、すぐに内側のやわらかい部分に達してしまいます。

さらに、乳歯の神経は大人の歯に比べて大きく、表面からの距離が短いのが特徴です。

そのため、見た目には「小さな虫歯」に見えても、実は神経のすぐそばまで進んでいる、ということも珍しくありません。

子どもの虫歯が早く進行してしまう主な理由

乳歯のつくりに加えて、子どもの生活習慣や成長段階も、虫歯の進みやすさに大きく関係しています。

ここでは、子どもの虫歯が早く進んでしまう主な理由を3つに分けてご説明します。

1.歯のつくりが虫歯に弱い

先ほどお話ししたように、乳歯は大人の歯に比べて、表面がうすく、内側がやわらかい構造をしています。

このため、虫歯菌がつくる酸にさらされると、表面からどんどん溶け出してしまい、短い期間で深いところまで到達してしまいます。

生えたばかりの歯は、まだ完全に固まりきっていないため、特に酸に弱い状態です。

前歯でも奥歯でも、「生えてから2〜3年ぐらい」は、虫歯になりやすい「要注意期間」と考えていただくとよいでしょう。

2.お口の中が「だらだら酸性」になりやすい

子どもは、おやつやジュースを口にする回数が多くなりがちです。

・甘いお菓子を少しずつ長時間食べる

・ジュースやスポーツドリンクをこまめに飲む

・寝る前や夜中にミルクや甘い飲み物を飲む習慣がある

こうした生活が続くと、お口の中は常に酸性に傾き、歯の表面が休む時間がほとんどありません。

乳歯はもともと酸に弱いため、この「だらだら食べ・だらだら飲み」が続くほど、虫歯が一気に進んでしまいます。

特に注意が必要なのは、哺乳びんやストローマグに甘い飲み物を入れて、長時間持たせたままにする習慣です。

前歯から奥歯まで、歯のすべてが砂糖と酸に何度もさらされるため、上の前歯が一気にボロボロになってしまうこともあります。

3.自分ひとりでは上手に磨けない

小さなお子さんは、手の器用さや集中力がまだ十分ではありません。

「じぶんで磨く」と言って歯ブラシを動かしていても、実際には歯と歯の間や奥歯の溝など、虫歯になりやすい部分の汚れが多く残っていることがよくあります。

特に、乳歯の奥歯は、溝が深くて汚れがたまりやすく、歯と歯がくっつくように並ぶ時期もあるため、見えないところで虫歯が広がっているケースが少なくありません。

また、子ども自身が「どこが磨けていないのか」「どこに汚れが残りやすいのか」を判断することは難しいため、大人のチェックが欠かせません。

「どうせ抜ける歯だから」は大きな誤解

「乳歯はいずれ抜けるから、多少の虫歯は放っておいても大丈夫」

そんなふうに考えてしまう方もいらっしゃいますが、これは大きな誤解です。

乳歯には、次のような大切な役割があります。

・食べ物をよく噛み、栄養をしっかり吸収できるようにする

・ことばをはっきり発音できるようにする

・あごの骨の成長を助ける

・下から生えてくる永久歯の位置を案内し、きれいな歯並びにつなげる

乳歯の虫歯をそのまま放置すると、歯の痛みでしっかり噛めず、やわらかい物ばかり好むようになったり、前歯が欠けて発音しにくくなったりすることがあります。

さらに、虫歯が進んで乳歯を早く抜かざるをえなくなった場合、そのスペースにまわりの歯が倒れ込んでしまい、永久歯が生える場所が足りなくなって、歯並びがガタガタになりやすくなります。

また、乳歯の根の先に膿がたまるほど虫歯が進行すると、そのすぐ近くに控えている永久歯の芽にまで影響が出てしまうことがあります。

永久歯が白く濁ったり、溝が深くなったりと、将来の歯の質に影響する可能性もあるため、「どうせ抜けるから」と軽く考えず、早めに治療と予防を行うことが大切です。

どれくらいの速さで進行するの?

乳歯の虫歯は、数か月のうちに神経近くまで進んでしまうことがあります。

表面から見ると小さな黒い点に見える程度でも、レントゲンを撮ってみると、内側で大きく広がっていることは珍しくありません。

さらに、子どもの虫歯は次のような理由で気づかれにくいことがあります。

・痛みを上手に伝えられない、もしくは我慢してしまう

・上の前歯の裏側や、奥歯と奥歯の間など、見えにくい場所にできやすい

・「そのうち自然によくなるかも」と様子を見ているうちに、急に進んでしまう

幼稚園や保育園の歯科検診で初めて虫歯を指摘されたときには、すでにしっかりとした治療が必要な段階まで進んでいる、というケースも多く見られます。

守口市の菱田歯科医院でも、「もっと早く来ていれば、小さな治療で済んだのに」というお子さんに出会うことが、残念ながら少なくありません。

何歳から歯医者さんに通えばよい?

世界的には、「虫歯になってから行く歯医者さん」から、「虫歯になる前から通う歯医者さん」へと考え方が変わってきています。

お子さんの歯の場合も、痛くなってからではなく、できるだけ早い時期から歯科医院とつながりを持つことが大切です。

一般的な目安としては、

・最初の乳歯が生えてきたころ〜1歳ごろまでに、初めての歯科受診をする

・その後は、3〜6か月に一度を目安に定期検診を受ける

といわれています。

定期検診では、虫歯のチェックだけでなく、

・ご家庭での仕上げ磨きの方法

・歯ブラシや歯みがき剤の選び方

・おやつや飲み物の内容・タイミング

・フッ素塗布や、奥歯の溝を保護する処置が必要かどうか

などを、お子さん一人ひとりの成長に合わせて確認していきます。

「まだ小さいのに歯医者さんへ連れて行って大丈夫?」と心配される方も多いですが、むしろ小さいうちから通い始めることで、歯科医院の雰囲気に慣れやすく、虫歯の治療が必要になったときにもスムーズに進めることができます。

おうちでできる乳歯の虫歯予防のポイント

ここからは、ご家庭で今日から実践できる虫歯予防のポイントを、わかりやすく整理してお伝えします。

1.仕上げ磨きは小学校低学年まで

お子さんが「じぶんで磨く」と言い始めたとしても、しばらくのあいだは必ず大人の仕上げ磨きを続けましょう。

・夜寝る前は、必ず大人が仕上げ磨きをする

・小学校低学年までは、「自分磨き+仕上げ磨き」が基本

・奥歯の溝、歯と歯の間、上の前歯の根元を意識して磨く

寝ているあいだは唾液が減り、虫歯が進みやすい時間帯です。

夜の仕上げ磨きをしっかり行うだけでも、虫歯のリスクを大きく減らすことができます。

2.フッ素入り歯みがき剤を上手に使う

フッ素は、歯の表面を強くし、虫歯になりかけた部分を元に戻す力を助けてくれる成分です。

正しく使えば安全性が高く、世界中で子どもの虫歯予防に利用されています。

・1〜2歳ごろまでは、米粒1つ分ほどの少量を歯ブラシにつける

・3〜5歳ごろまでは、グリンピース1粒分ほどの量を目安にする

・うがいは軽く1回程度にし、フッ素が歯に残るようにする

飲み込んでしまわないよう、大人がそばで見守りながら使うことが大切です。

また、歯科医院で行うフッ素塗布は、ご家庭でのケアでは届きにくい場所にまでフッ素を行き渡らせることができるため、定期検診の際には一緒に受けていただくことをおすすめします。

3.「だらだら食べ」「だらだら飲み」を減らす

虫歯を防ぐうえで重要なのは、「甘い物をまったく食べないこと」ではなく、「だらだら食べ続けないこと」です。

・おやつの時間を1日1〜2回に決める

・時間を決めて食べ、食べ終わったら歯みがきやうがいをする

・ジュースやスポーツドリンクは特別な日だけにし、普段はお水やお茶を中心にする

・寝る前にお菓子や甘い飲み物をとる習慣を見直す

こうした工夫を続けることで、お口の中が酸性になっている時間を短くでき、乳歯を守りやすくなります。

4.家族みんなでお口の健康を整える

子どものお口の中の環境は、一緒に暮らすご家族の影響を大きく受けます。

むし歯菌は、同じスプーンを使ったり、口移しで食べさせたりすることで、少しずつ子どものお口にうつっていきます。

完全にうつさないようにすることは難しいですが、

・大人も定期的に歯科検診とクリーニングを受ける

・治療していない虫歯は早めに治す

・できるだけ同じスプーンや箸の共有を減らす

といった点を意識することで、お子さんの虫歯リスクを下げることができます。

こんなサインがあれば早めに歯医者さんへ

次のような様子が見られたら、「そのうち治るかも」と様子を見すぎず、早めに歯医者さんに相談しましょう。

・歯の表面に白く濁った部分や、うっすら茶色の線が見える

・奥歯の溝が黒っぽく見える

・冷たい物や甘い物を食べるとき、顔をしかめることがある

・同じ側ばかりで噛む、硬い物を嫌がる

・歯ぐきが赤く腫れている、ぶよっとしたできものがある

これらは、まだ強い痛みがなくても、虫歯が静かに進んでいるサインかもしれません。

守口市周辺で「子どもの歯が心配だな」と感じたときは、早めに一度、歯科医院でチェックを受けてみてください。

まとめ:乳歯を守ることは、未来の笑顔を守ること

子どもの乳歯は、大人の歯に比べて虫歯になりやすく、いったん虫歯になると進行が早いという特徴があります。

しかし、早い時期からの予防と定期検診によって、多くの虫歯は防ぐことができます。

・乳歯は小さくやわらかく、虫歯が神経に届きやすい

・だらだら食べや甘い飲み物、仕上げ磨き不足が進行を早める

・乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の歯並びや全身の健康にも影響する

・「虫歯になってから」ではなく、「虫歯になる前」から歯医者さんとつながることが大事

大阪府守口市の日吉町にある菱田歯科医院では、守口駅・守口市駅から通いやすい立地を生かし、地域の「かかりつけ歯医者」として、お子さんの歯とお口の成長を長く見守っています。

歯医者さんが苦手なお子さんには、いきなり治療を始めるのではなく、診療室の雰囲気に慣れることからゆっくりスタートしていきます。

「これって虫歯かな?」「仕上げ磨きのやり方は合っているのかな?」

そんな小さな疑問や不安でもかまいません。

守口市で子どもの歯についてお悩みの方は、どうぞお気軽に菱田歯科医院へご相談ください。

FAQ(よくある質問

Q1.子どもの歯医者デビューは、何歳ごろがよいですか?

A.目安としては、最初の乳歯が生えてきたころ〜1歳ごろまでに、一度受診していただくのがおすすめです。お口の状態を確認するだけでなく、ミルクや離乳食の与え方、仕上げ磨きのコツなどを早い段階で相談できるため、「虫歯になってから慌てて通う」という状態を防ぎやすくなります。

Q2.フッ素は体に悪くないのでしょうか?

A.歯みがき剤や歯科医院で使われるフッ素は、濃度や使用方法がきちんと決められており、正しく使えば安全性が高いとされています。お子さんの年齢や体格に合わせて量や回数を調整しますので、ご不安な点があれば、遠慮なく歯科医師や歯科衛生士にご相談ください。

Q3.仕上げ磨きは、いつまで続ける必要がありますか?

A.一般的には、小学校低学年ごろまでは続けていただくことをおすすめしています。手先の器用さや集中力の関係で、その頃まではどうしても磨き残しが出やすいためです。高学年になってからも、ときどき大人がチェックしてあげると安心です。

Q4.子どもが歯医者さんをとても怖がります。どうしたらいいですか?

A.「痛くないから大丈夫だよ」と説得するよりも、「歯をピカピカにしてもらおう」「大きくなったから検診に行こうね」と、前向きなイメージを持てる声かけがおすすめです。菱田歯科医院では、いきなり大きな治療は行わず、診療台に座ってみる、器具を見て触ってみるなど、少しずつ慣れてもらうステップを大切にしています。

Q5.保育園・幼稚園の検診だけで、虫歯予防は十分ですか?

A.園での検診やフッ素塗布はとても心強いサポートですが、それだけで虫歯を完全に防げるわけではありません。ご家庭での毎日の仕上げ磨き、おやつや飲み物の工夫、歯科医院での定期検診とクリーニングを組み合わせることで、よりしっかりと乳歯を守ることができます。

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