オーラルフレイルとは、むせたり、食べこぼしなどが口の機能下がっている状態のことです。 また「口腔機能低下症」とは、加齢により口腔内の「感覚」「咀嚼(そしゃく)」「嚥下(えんげ)」「唾液分泌」等の機能が少しずつ低下してくる症状です。
口腔機能が低下してくるとご飯が食べにくい、口の中が乾く、お薬が飲みにくい、など様々なことが起こります。 原因は加齢によるもの、口腔内環境(虫歯、歯周病、歯のお掃除)など様々な要因が考えられます。
「口腔機能低下」を早期に自覚することで生涯にわたり、食べることを楽しみ、会話に花を咲かせ、笑顔が続く健康長寿を支えます。
出典元:https://www.gerodontology.jp/committee/
file/oralfunctiondeterioration_document.pdf
口腔衛生状態
衛生状態が悪いと誤嚥性肺炎などを引き起こすリスクが高まります。口腔内の衛生状態を診させていただきます。
- 予防方法 -
舌ブラシ
1日1回が目安です。1日に何度もこすると舌の粘膜を傷つけてしまいます。
歯磨き、フロスの使用
歯磨きは毎食後、フロスは忙しい方は最低1日1回使用してください。歯ブラシは1か月に1回交換します。
衛生士による定期的なメインテナンス
歯磨きでは取りきれない汚れが歯の表面には付いています。衛生士による歯石除去を行い、口腔内の衛生状態を改善していきます。
出典元:https://www.gerodontology.jp/committee/
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口腔乾燥
飲んでるお薬や口呼吸などにより、口腔内が乾燥していないか診させて頂きます。口腔内が乾燥していると虫歯や歯周病のリスクが上がります。
- 予防方法 -
保湿剤の使用
口腔保湿剤には液体タイプとジェルタイプがあります。
唾液腺マッサージ
1.耳下腺マッサージ
指数本を耳の前に当て、10回ほど円を描くようにマッサージします。
2.顎下腺マッサージ
顎のラインの内側のくぼみ部分3~4か所を順に押していく。目安は各ポイント5回ほど押します。
3.舌下腺マッサージ
顎の中心あたりの柔らかい部分に両手の親指を揃えて当て、10回ほど上方向にゆっくり押し当てます。
出典元:https://www.gerodontology.jp/committee/
file/oralfunctiondeterioration_document.pdf
咬合力低下
噛む力が弱っていないか診させて頂きます。低下していると食べられるものが制限され食べる楽しみが減少し食への意欲の低下に繋がります。
- 予防方法 -
入れ歯、ブリッジ
口の中の入れ歯やブリッジなどによってかみ合う部分を増やします。 (この部分は意図があって変更していただいているのであればそのままでも大丈夫です。)
食事改善
1口で30回以上噛む、口いっぱいにものを詰めない、歯ごたえのある食材を選びます。
舌口唇機能性低下
舌や唇を動かす力を診させて頂きます。低下していると入れ歯の状態がいいのにもかかわらず発音がしにくかったり、会話がしにくくなることがあります。
- 予防方法 -
パタカラ運動
【パ】【タ】【カ】【ラ】の各発音8回を2セット行います。
あいうべ体操
大きく口を動かすように意識して【あ】【い】【う】【べ】の動作をします。 4つの動作を繰り返し10回、1日3セット行います。
低舌圧
舌の力を診させて頂きます。低下していると物を食べづらかったり、飲み込みにくくなったりします。また、発音にも影響する可能性があります。
- 予防方法 -
舌の筋トレ
舌回し
出典元:https://www.gerodontology.jp/committee/
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咀嚼機能低下
噛み砕く力を診させて頂きます。低下していると物を噛み砕く、すり潰すなどがしにくくなり食べられるものが制限されます。
- 予防方法 -
虫歯、歯周病の改善
虫歯、歯周病、入れ歯などの歯科治療によりお口の中の状態を改善していきます。
ガムなどによる咀嚼運動
ガムを噛むことにより噛むために必要な筋肉を鍛えることができます。 1日2回2分間はリズムを決めて、3分間は自由に、計5分間ガムを噛みます。
EAT-10
聖隷式嚥下質問紙
出典元:https://www.gerodontology.jp/committee/
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嚥下機能低下
飲み込む力を診させていただきます。低下していると誤嚥する可能性や飲み込みがしにくくなります。
- 予防方法 -
開口訓練
おでこ体操
ベロ出しごっくん体操
ベロを少し出したまま、口を閉じて唾を飲み込みます。
現在、日本歯科医師会では、人生100年時代に向けて【8020運動】に加えて、【オーラルフレイル】の予防を推奨しています。さらに、口腔機能低下症により口腔機能が低下すると、美味しいご飯が食べにくくなったり、笑顔で話しづらくなる様になります。この状態が続くと心身の活力が減っていき、フレイル(病気ではないが、介護が必要になりやすい状態)などにもつながると言われています。早期に発見して適切な対応、トレーニングを行うことで改善していくことが重要です。普段のトレーニングなどを通じて少しでも患者様のお役に立てればと思います。当院では一人ひとりに寄り添った治療を目指しています。お気軽にご相談ください
当院では一人ひとりに寄り添った治療を目指しています。お気軽にご相談ください